ぼっち大学生はプログラミングを学んでフリーランスエンジニアになれるのか？元大学ぼっち&フリーランスエンジニアの僕が実情を話します
この記事では、ぼっち大学生がプログラミングを学んでフリーランスとして活動するというキャリアについて、元ぼっち大学生で在学中に個人事業主として独立したのち、数年間フリーランスエンジニアとして活動した経験を持つ僕が、その実情を赤裸々に話していきます。
たっちゃん
ぼっちユニバーシティの運営者です。
大学ぼっち時代にプログラミングを学び始め、在学中にフリーランスのWebエンジニアとして独立。
本業はWebアプリケーションやWebサイトの受託開発がメインですが、最近はFlutterにハマっています。
趣味はバックパッカー旅行と立ち飲み屋さん巡り。
現在は都内でひとり法人を経営しながら、現役のぼっち大学生のみなさんへお役立ち情報を発信しています。
0. はじめに
ぼっち大学生のみなさんこんにちは！
今回の記事では、ぼっち大学生がプログラミングを学んでフリーランスエンジニアとして活動するというキャリアについて、実際にぼっちを極めていた大学在学中にプログラミングを勉強したのち、在学中にフリーランスエンジニアとして独立した経験を持つ僕が、その実情をNG無しでお話していきます。
プログラミングを学んでフリーランスエンジニアになることを検討しているぼっち大学生のみなさんは、ぜひご一読ください。
1. ぼっち大学生がプログラミングを学んでフリーランスになることはできるのか？
結論からお伝えしますと、ぼっち大学生がプログラミングを学んだのち、フリーランスエンジニアとしてお金を稼ぐことは可能です。
なぜなら僕自身がそうだったから。
ただし、
「誰でもすぐに稼げるようになるか？」
「誰にでもおすすめできるキャリアか？」
などと聞かれれば、僕の答えはNOです。
大学ぼっちなみなさんに実情をしっかりとお伝えしようとするあまり、初っ端から歯切れが悪くなってしまいましたが、
- 大学生のうちにプログラミングを学んで、そのまま独立することは不可能ではない
- フリーランスエンジニアはそれなりに稼げるが、万人におすすめすることはできない
というのが、本記事の主張となります。
まずは僕が大学ぼっち時代にプログラミングを学んで、実際にフリーランスエンジニアになった経緯について、順を追って説明します。
2. 僕が在学中にプログラミングを学んでフリーランスエンジニアになった経緯
早速ですが、僕が大学ぼっち時代にプログラミングを学んだのち、フリーランスエンジニア = 個人事業主として独立するまでの経緯を簡単に紹介していきます。
2-1. プログラミングスクールに通う
大学2年生が終わる時期に、大学を1年間休学することにした僕は、手始めにプログラミングスクールに半年間ほど通ってみることに。
このスクールで僕は、
- iOSアプリケーション開発
- Webアプリケーションの開発
- 英会話
を、半ば缶詰状態で学びました。
2-2. エンジニアのインターンに参加する
プログラミングスクールを修了した僕は、そこで学んだ内容を実践すべく、東南アジアのある国でインターンをさせていただくことにしました。
僕は現地のエンジニアの方々で構成された、iOSとAndroidアプリの開発部署にエンジニアのインターンとして参加させていただき、半年間ほどネイティブアプリの開発をお手伝いさせていただきました。
2-3. エンジニアのアルバイトをする
半年間に及ぶインターンを終えて帰国し、1年ぶりに大学に復学した僕は、そこから卒業するまでの間、アルバイトとして3つの企業でWebエンジニアとしての経験を積むことになります。
在籍期間がダブっているところもあるのですが、具体的には
- A社：Webの受託開発を2年間
- B社：自社Webサービスの開発を1年間
- C社：自社Webサービスの開発を4ヶ月間
ほど経験させていただきました。
そして、このころから知り合い経由で、僕個人宛に小規模なWebアプリケーションやコーポレートサイト、ランディングページなどの開発依頼がぽつぽつと舞い込むようなっていきます。
2-4. フリーランスエンジニアとして独立する
大学の卒業を半年後に控えたころ、個人で請け負う仕事が増えてきたこともあり、最寄りの税務署に開業届を提出。
こうして僕はプログラミングの学習を始めてからおよそ4年ほどで、個人事業主として独立することになり、それから法人化するまでの3年間ほど、フリーランスのWebエンジニアとして活動することになったのでした。
ちょっと説明が長くなりましたが、大学在学中にフリーランスエンジニアになった元ぼっち大学生の事例として、僕の経験が現役ぼっち大学生のみなさんの参考になれば幸いです。
3. フリーランスエンジニアはたしかに稼げる
たしかにフリーランスエンジニアという職業は、日本国内における平均的な会社員の収入と単純に比較すると、かなり高い報酬を得られる傾向にあります。
事実、20代のフリーランスエンジニアが年商1,000万円を超えるようなことは、そこまで珍しい話ではありません。
ではなぜフリーランスエンジニアは稼げるのか？
ここではその理由について、フリーランスエンジニアとして3期ほど活動した僕の経験談を交えて説明させていただきます。
そもそもフリーランスエンジニアの多くは、案件を受注した場合の契約形態の種類によって、下記の2パターンに大別されます。
いきなり小難しい話になりましたが、これはフリーランスになることを検討されているぼっち大学生のみなさんにとって、非常に重要なポイントとなりますので、この機会に下記の契約形態について理解を深めておくことをおすすめします。
3-1. 準委任契約のパターン
準委任契約は、主にフリーランスエンジニアがエージェントを介して、企業に常駐するような場合に用いられる契約形態で、BUSINESS LAWYERSではこのように定義されています。
準委任契約は、仕事の完成ではなく、一定の事務処理行為を行うことを約する契約です。
ちなみにエージェントとは、フリーランスエンジニアを企業に紹介することによって、企業がフリーランスエンジニアに支払う報酬の一部をマージンとして受け取ることで成り立つ業態のこと。
このタイプの契約の元で働くフリーランスエンジニアは、企業の開発チームに助っ人のような形で参画し、社内のエンジニアや他のフリーランスエンジニアと協力しながら開発業務をこなすことによって、毎月のように定額の報酬を受け取るようなケースが多いです。
そして、フリーランスエンジニアの経験年数や技術スタックにもよりますが、このエージェントを介した案件の報酬は、僕が見聞きした限りでは下は50万円くらいから、上は120万円を超えるくらいのレンジで設定されていたりすることも。
もし月の報酬が90万円ほどの案件に1年間参画することができれば、年商は1,000万円を超えるような金額となりますので、スキルのある20代のフリーランスエンジニアが年間1,000万円以上稼ぐことは、まず不可能ではないということになります。
3-2. 請負契約のパターン
請負契約は、企業や個人から発注を受けたフリーランスエンジニアが、仕様に応じた成果物を完成させて納品することを求められる契約形態のことを指します。
下記の文章は、BUSINESS LAWYERSに掲載されている請負契約の定義を引用させていただいたものになります。
請負契約は、請負人が仕事を完成することを約し、注文者がこれに対して報酬を支払うことを内容とする契約です。
ぼっち大学生が在学中にフリーランスエンジニアとして稼ぐ場合は、先に説明した準委任契約ではなく、こちらの請負契約の元で仕事を受けることが多いのではないでしょうか？
なぜなら、準委任契約を結んでエージェント経由の案件に参画するフリーランスエンジニアの場合、実際の募集要項を見れば分かりますが、半ば会社員のような形で週に5日は朝から晩まで開発業務に携わることが求められるケースがほとんどだから。
つまり、平日に授業に出席する必要のあるフリーランスぼっち大学生は、そもそもエージェント経由の案件に参画することが物理的に難しく、必然的に稼働時間の縛りが存在しない請負契約の仕事を受けざるを得ないということになります。
僕が現役フリーランスぼっち大学生だったころは、まさしくこのパターンで仕事を請け負っており、授業の合間や放課後に時間を見つけては、そこでWebサイトを構築するなどして生計を立てていました。
肝心のどれくらい稼げるかという話ですが、こちらの請負契約で仕事を受けた場合、その報酬は基本的に青天井になります。
これはあくまで例ですが、フリーランスエンジニアとして
- 1,000万円のWebアプリケーション開発 * 1
- 50万円のWebサイト構築 * 10
をこなせば、年商は1,500万円。
要するに、仕事の依頼がある前提ですが、単価と案件数の掛け算と足し算次第で、いくらでも稼げてしまうのがこの請負契約パターンということになります。
これだけ聞くと、大変美味しい話のように聞こえるかもしれませんが、個人事業主であるフリーランスエンジニアが請負契約を結ぶ場合、そこには大きなリスクが隠れていますので、その点に関しては次の章で詳しくお話しさせていただければと思います。
とはいえ、フリーランスエンジニアがそこそこ稼げるというのは、ここまでの内容でご理解いただけたのではないでしょうか。
ここからは、僕がぼっち大学生全員にフリーランスエンジニアになることをおすすめすることはできない理由について、詳しくお話させていただきます。
4. フリーランスエンジニアは万人にはおすすめできない
ここからは、フリーランスエンジニアという働き方はそれなりに稼げはするものの、その一方でちゃんと人を選ぶ職業であるという点も認識しておく必要があるというお話です。
このタイミングで、ぼっち大学生のみなさんにフリーランスエンジニアを目指すことを大いに推奨する内容が書ければ、このような記事の構成としてはベターなのかもしれません。
しかしながら、僕にはどうしてもこのキャリアをぼっち大学生のみなさんに安易におすすめできない理由がありますので、内容は少々長くなりますが、しっかりとお読みいただけますと幸いです。
4-1. 請負契約を結ぶ際のリスクがデカすぎる
先ほどもチラッと言及しましたが、これはフリーランスエンジニアが請負契約を結んで仕事をする場合の無限責任についてのお話です。
これからフリーランスエンジニアを目指すぼっち大学生や、すでに個人事業主として独立しているぼっち大学生で、このリスクを未だ正確に認識していないという読者の方がいましたら、ぜひ耳をかっぽじって聞いてください。
あまり考えたくはないですが、例えばあなたが個人事業主として開発を請け負い納品したシステム上で、顧客情報が流出する情報漏洩事故が発生したと仮定します。
そこで、もし発注元からあなたの元に巨額の損害賠償請求が届いた場合、事業用の資産だけでなく、あなた個人の資産からも賠償額を用意することが求められます。
これはつまり、賠償金額の支払いが完了するまで、あなた個人がその責任を負い続けるということ！
非常に恐ろしい話ではありますが、個人事業主のフリーランスエンジニアとして請負契約を結ぶということは、場合によっては何億円もの損害賠償請求が個人宛に発生する可能性を孕んでいるということを、ぜひぼっち大学生のみなさんに理解していただきたく、このような話をさせていただくことにしました。
もちろんそのような事態を鑑みて、あらかじめ賠償金額の補填がサービスに含まれているような個人事業主向けの保険に加入しておくことによって、多少のリスクヘッジをすることは可能でしょう。
しかし、そのような保険があるからといってあぐらをかいていては絶対ダメですし、個人事業主として活動する以上は、常に最悪のケースを想定して然るべきです。
まずは、これからフリーランスエンジニアを目指すぼっち大学生に知っておいてほしいリスクとして、個人事業主の無限責任に関する内容を紹介させていただきました。
4-2. プロスポーツにおける助っ人外国人のように立ち回る必要がある
これはエージェント経由で準委任契約を結んで参画する常駐案件に言えることなのですが、フリーランスエンジニアは常駐先の視点に立った場合、プロ野球やJリーグの助っ人外国人選手に相当します。
どういうことかというと、これは当たり前ですが、フリーランスエンジニアは持てるスキルを最大限に発揮して常駐先の要求に応える必要があり、これに加えて常駐先のエンジニアの方々を啓蒙するような役割が求められるケースもあります。
それと同時に、自らのフリーランスエンジニアとしての市場価値を高めるために、常駐先の仕事以外の時間を使って、常にスキルアップし続けなければなりません。
また、フリーランスエンジニアは自分のスキルセットの範囲で確実に完遂できる仕事を依頼される傾向にあるため、会社員のエンジニアの方々の場合と比較すると、挑戦的な仕事を得られる機会に恵まれているかというと、どうしても疑問が残ります。
フリーランスエンジニアというのは、このようなジレンマを抱えながらエンジニアとして成長し続けることが求められる職業であるため、個人的には相当な適性が無いと、そもそも継続することすらできないお仕事であると考えています。
4-3. 社会保障が充実しているとは言い難い
最後は個人事業主であるフリーランスエンジニアの社会保障の充実度に関するお話です。
今回はこちらのFINANCIAL FIELDの記事を参考にさせていただき、個人事業主の社会保障におけるデメリットを、いくつか簡単に紹介させていただきます。
- フリーランスには雇用保険や労災が無いため、失業時やケガ・病気をした場合に公的な補償が受けられない
- フリーランスは厚生年金が無いため、会社員よりも年金の受け取り金額が少なくなる傾向がある
- フリーランスは基本的に国民健康保険に加入するため、傷病手当金や出産手当金がもらえない
上記は会社員であれば受けられるが、フリーランスの場合は受けられないような補償の例ですが、ぼっち大学生のみなさんはこれらのデメリットをしっかりと踏まえたうえで、今後フリーランスとして活動していくべきかどうかをまず考えることが、非常に大切なポイントだと思います。
5. さいごに
いかがでしたでしょうか？
今回は、
「ぼっち大学生はプログラミングを学んでフリーランスエンジニアになれるのか？」
というテーマで、僕が実際にプログラミングを学んでフリーランスエンジニアになった経緯や、フリーランスエンジニアという職業の良し悪しについて、僕の実体験ベースで長々とお話しさせていただきました。
僕はぼっち大学生のみなさんがフリーランスのエンジニアを目指すこと自体は、大変素晴らしいことだと思います！
みなさんがエンジニアとしての市場価値を高め続けることができれば、一般的な国内の会社員よりも大きな金額を稼ぐことは、全く不可能ではありません。
その一方で、この記事を読んでくれた大学ぼっちなみなさんに、フリーランスという働き方にまつわる大小様々なリスクをしっかりと踏まえることも忘れてほしくなかったので、今回このような記事を書いてみることにしました。
この記事の内容が、フリーランスエンジニアという働き方に興味のあるぼっち大学生のお役に立てたとしたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
